思い出紬(仮)

ライブや出会った人、物の思い出を書き紡いでいきたく思います。

ECHOES OF 民謡CRUSADERS ~BLUE NOTE は涙でいっぱいになった~(前編)

2022年1月22日、それは自分にとって人生で本当に嬉しい瞬間に出会えた日だった。

 


はじめての民謡クルセイダーズライブへ行こう!

MINYO IS BACK IN TOWN - MINYO AT BLUE NOTE TOKYO


民謡クルセイダーズは、西東京福生市を拠点に、現代に失われた日本の民謡とラテンの音楽を組み合わせたバンドである。

(民謡クルセイダーズ公式ホームページ https://www.minyocrusaders.com/ )


このバンドはを知ったのは、2017年の夏頃。そこから少しずつ追っかけて行ったら、2021年にどハマリし、すっかりファンになってしまった。理由は単純に格好良いし、ずっと聴いていたいくらい演奏レベルが高いのだ!日本の民族音楽をこんなに面白く伝えてくれるバンドの方針、奏でる音楽、そして現代に新しいノリ方を広めていくユーモア、何もかもが良くて、いつしかそれらが自分の憧れになっていった。

 

ところが、当時住んでいた所など色んな要因で、ライブには行ったことがなかった。東京に引っ越してきた後も、憎き流行病、コロナウィルス(COVID-19)でライブに行けず。それまではずっと Youtube の PV やライブ映像を、指を咥えて見ていたのである。素敵なバンドだな…と思って追っかけて行ったら、なんと BLUE NOTE TOKYO でライブを行うことに!

 

BLUE NOTE はジャズの殿堂。現代音楽トップレベルのミュージシャンが集まる場所。そしてそこは、アメリカナイズされた空間である。そんな BLUE NOTE に日本民謡が響き渡るとなれば、これはひょっとするとすごい体験になるに違いない!

そう思ったらライブチケット販売開始時に、光の速度で予約していた。購入チケットは第二部。かなりアブラの乗った良いタイミングだろうと、もう期待で胸いっぱいだった。


そして遂に念願の当日。ジャズジャイアンツの写真が貼られたエントランスを抜け、会場に着くとステージに向かって右後方の相席に案内された。全員が満遍なく綺麗に見える位置。音のバランス的にもなかなか好みのポジションだ。注文した限定カクテル「民謡の夜明け」を飲みながら、会場の雰囲気に慣れていく。と同時に予感した。今日、きっといっぱい泣いてしまうだろう。

 


会場が急に暗くなり、拍手が湧く!民謡クルセイダーズが、遂に目の前に現れたのだ!

ステージにあがり、全員が楽器をセットする。しずかにセッティングを確認し、そして…

 


ブーン…ブブンブン ブブブブ ブンブン…♪ ブーン…ブブンブン ブブブ ブン・ブブブン…♪

 


あのベースリフが聴こえてきた。串本節!CDで聴くとユーモラスだが、実際聴くと堂々と船でやってきたような格好良さがある!そこに田中さんのギターが載ると、一気にムワッと会場が熱苦しい雰囲気を帯びた。キーボードが更に、コミカルだが脳を痺れさせる音色とフレーズで盛り上げる。


グッドイブニ〜ング!ウィーアー、民謡クルセイダーズ!!

 

田中さんの軽くてイイ感じなMC、ジャングルボイスで一気に世界が変わった。客席では拍手が波の様にザッ…!ザッ…!と鳴り響き、期待感をより煽る。次にホーンパートが堂々たるイントロフレーズを吹く。今夜はいつものサックス、トランペットの編成にトロンボーンが加わり、音色とハーモニーに厚みが増している。ホーン隊がイントロを吹き終わり、

 


ついにその時が、来た。

 


ここは〜 串本ぉ〜 向かいはぁ〜 大島♪ 中を〜 とぉ〜りもォ〜つ〜 巡航船♪

 


涙がいっぱい溢れた。

 


アラ、ヨイショ ヨ〜イ〜ショ ヨイショ、ヨイショ ヨ〜イ〜ショ〜♪

 


外国から沢山の音楽ジャンルを借りてきた現代日本で、そしてこのアメリカの支配下の様な会場に、日本語で、日本民族の歌が響き渡った…!!感激だった。

なんだろう。古臭くて、ともすると非日常的で滑稽にも聞こえる「よいしょ」という掛け声が、こんなにも熱く力強く聴こえてくるのだ。それと同時に、ラテンと現代音楽のサウンドが贅沢に添えられていて、民謡を華々しく輝かせていて最高だった。

温故知新、それを民謡クルセイダーズは最高の形で伝えてくれているのだ。

民謡の歌い手、フレディ塚本さんの声も、どんなに遠くに居ても届いてくれるような響き、声質、はじめての目の前で聴く民謡の魅力に耳も心もいっぱいになった。

そんな最高の一曲目、串本節が終わる頃には、泣き過ぎて一生懸命涙を手で拭っていた。

会場には、民謡クルセイダーズを讃える歓喜の拍手が、海のように響き渡る!

(串本節 - 民謡クルセイダーズ 動画1曲目 https://youtu.be/swQ9_UN_zi4?si=lGwhhd8TTu3SxNXw )

 


その次の曲は、虎女様!!

けたたましく、灼けつくような熱いホーン隊のイントロが、次の曲の始まりを告げる…!!

南アメリカ音楽独特の力強いベースとリズム隊が後に続くと、会場は再び曲に合わせて拍を手でとる。ステージと会場が一つになって、凄まじい熱を生み出した!


虎〜女〜さぁ〜まぁ〜 何買ってもろォ〜たぁ〜 お白粉七〜色 蛇〜の目ぇ傘〜♪

チョイサァー! チョイサッ♪


会場を埋め尽くす猛烈なる音の熱気と濁流の中、ここですごく素敵な瞬間を見つけた。

サポートメンバー、ちゃんゆかさん。

この濁流を、勢いを乗りこなすかの様な、しなやかで力強い動き!たまに混ぜるニャンニャ…猛虎の動きもまた粋で格好良く楽しげで、曲とその熱気を100%体現していた!!はためく長いはっぴの裾が、BLUE NOTE の照明に照らされて儚く、幻想的だった。ラテンのリズムだけど、日本らしさが力強く現れていて、きっと日本人にしかできないじゃないんだろうか。

お祭りの時の格好良い、現代の都市や日本ではなかなかお目にかかれない様な、あの憧れを抱く格好良い情景をちゃんゆかさんは全て再現して魅せてくれた。それを観てもっと涙がボロボロ出てきてしまった。曲が終わる頃には、ステージも客もトランス状態と溢れ出る情熱で一つになり、火の玉になっていた。

(虎女 Tora-Joe:民謡クルセイダーズ https://youtu.be/cID4CrsSA8Q?si=4XHIuuseHu49aucM )

 


虎女様の次に、ホーハイ節。そこで面白おかしくたっぷり漢気を楽しんだ後は、おてもやん

小気味よく可愛いパーカッションが響き渡る。軽快で呑気なイントロの後、サポートメンバーの竹ノ子みどりさんが歌い出す!

その声はとっても民謡歌手らしい、清涼感もありながらどこか張り詰めた感じがあって、とても聴き応え満載。軽快であざとい内容だけれど、美女特有のオーラがあって只者ではない雰囲気。また新しい響きが聴こえて、最後まで楽しく新鮮な気持ちにさせられた。

(おてもやん:民謡クルセイダーズ 歌手は別バージョン:https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%8A%E3%81%A6%E3%82%82%E3%82%84%E3%82%93/1317675439?i=1317675456)

 

次の次あたりだろうか、ここで田中さんからアナウンス。


新曲いきます。


なんだろう?と緊張と共に高揚した。すると、会場が一気に暗くなり、フレディさんにスポットライトがポツリと当たる。

 

ここから、本当に民謡クルセイダーズへも、民謡へものめり込むくらい大好きになった、最高の音楽体験が自分を待っていてくれた…!

(後編に続く)

 

#民謡クルセイダーズ #minyocrusaders

#ブルーノート #bluenote

#日本民謡 #民謡 #ラテンミュージック

#ライブ #音楽